スーツのラペル（襟）を考えてみる。

スーツの顔ともいえるラペル（襟）の形

 

スーツの顔ともいえるラペル（襟）の形は、表情や印象を大きく変える重要なポイントです。

形だけではなく幅や角度、ステッチの位置など流行に左右する部分でもありますのでうかつに手を出さない方がいいポイントかもしれません。
多少スーツのスタイルやお客様の好みなどを踏まえ、調整はするものの基本のBianccoスタイルを崩さないようにしていただきたいという思いとこだわりがありますのでお任せいただきたいところではあります。

ラペルに関してはゴージラインの設定や角度、ラペル幅やサイズだけではなく、ラペルに合わせた胸ポケットや腰ポケット襟の返り位置等多岐にわたるバランスの調整をしています。
一つ変えるだけで全体を整えなおさなくてはなりません。
それが増えてくるとお客さのイメージされている最初のBianccoのスーツ印象からかけ離れた仕上がりとなってゆきます。本末転倒ですよね。
ですので、ラペルの細かな調整も２着目以降でされると完成系をイメージしやすく間違いのない仕上がりとなりますのでお試しいただければと思います。

最初にもお伝えしましたが、「表情や印象を大きく変える重要ポイント」ですので。

ご希望により様々襟型はありますが、基本的に選べる襟型は2つとしています。

① ノッチドラペル

　少し特徴的なBianccoのノッチドラペルはゴージラインの下襟部分を水平気味に折りやや上方に設定しています。
　言葉にするとわかりにくいですがいわゆるセミノッチに近い襟型となり、それはゴージラインの上襟から下襟にかけなだらかな曲線を描くように見せるためです。違うものではありますがビスポークスーツなどに見られる「本衿掛け」のような見た目に近くなると思う所からなのです。
特にご指定のない場合、標準的な襟型をお考えの場合はこちらになります。

*Platinum ではOptionとして「本衿掛け」をご用意しております。

 

② ピークドラペル
　

「PEAK」英語で頂点を意味する、下襟を上方に尖らせた形をした襟になり、ダブルジャケットでは一般的なデザインになりますが、シングルでも可能なデザインです。
30年代からシングルピークが流行し一般化していった経緯があります。また「ポインテッドラペル」、「剣襟」とも呼ばれることもあり、どちらかというとフォーマルな印象を与える襟型なのです。

襟型にもそれぞれ「ルール」がありノッチでなければならない、ピークであった方が好ましいシーンやデザインがあります。いわゆるTPOってやつです。
ある程度ルールがあるからこそ、紳士のおしゃれは楽しいのではないでしょうかね。