ManicaCamicia

マニカカミーチャ(雨降り袖)

2017.04.12

イタリアスーツを語る上で外せない仕様といえば

 

"マニカカミーチャ(雨降り袖)"仕様が挙げられると思います。
特に南イタリア系スーツに使われる仕様なのですが、簡単に説明しますと肩パットが入っているか入っていないかの仕様の違い。
スーツの肩先は、”縫い代の処理”を少し変えるだけでスーツ自体の表情や雰囲気までもを大きく変えることができるのです。

sleeve


 
スーツの肩周りはパット・芯で形成され男らしいシルエットや型崩れを防ぐ役割等ありますが、その副資材を排除し、より軽さや動きやすさを追求した仕様がマニカカミーチャ(雨降り袖)です。
好みの違いはあるかと思いますが、柔らかい雰囲気やスーツをカジュアルに着こなすことができ堅苦しさを取る払うことができるのです。

Platinum editionのマニカカミーチャ(雨降袖)は通常の袖付けに比べ、多くの生地を使用し"いせ込み"(平面である生地を少しづつ、丸めるように追い込んで取り付けてゆく)により袖山をふんわり仕上げてゆく作業になる為、肩の可動域も格段に増え、袖側の生地を少しずつ縮めながら肩穴に縫い合わせていくわけで、非常に高度なアイロンテクニックと縫製技術で巧みな技が詰め込まれ完成されているのです。
この技法はナポリの手縫いスーツに必ず見られる技法でもあるのです。

manica-camicia

また、Normal editionでもマニカカミーチャ(雨降り袖)*オプション¥2,200 としてお預かりしていますが、Normalにつきましては身頃側のみ倒し処理したもので上記の袖付けよりも簡易的なものとなっております。

元々雨降り袖とは、袖山のイセ込みの際にできる縦ジワ(ギャザー)を”雨”たとえたものでレディースのブラウスにもよく見られナポリ周辺で作られるイタリアジャケットの特徴として紹介された経緯もあって今ではメジャーな仕様になりました。

どちらの仕様も、肩のパットに合わせ胸元の芯地も抜いてしまう仕立て(アンコン)で合わせるとより軽い着心地を体感できますが、技術が必要な作業となる為縫製ランク、生地によってはこの仕様に向かない物もあるという事も覚えていておいてください。

 もちろん通常の仕様もお選びいただけます。
パッドを薄めに入れた「ナチュラスショルダー」にてお預かりしておりますが、パットの薄さや有無もご希望により変更可能です。

その他”ビルドアップ”、”ロープド”もオプション¥2,200でお選びいただけますのでご相談ください。

 

袖ボタンについて

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