スーツのオプション(AMFステッチ)
2016.11.25
2016.11.25
襟のはしっこにテンテンテンと縫われているやつです。
「入っている」「入っていない」とよく比べられるやつです。
AMFステッチにはラペル(襟)部分を落ち着かせるという意味があり手縫いで施されていることから丁寧な仕立ての高級品の証ともなるディテールでした。
しかし縫製技術も発達した現代においてその意味は薄れ、今では飾りやデザイン的な意味合いが強くなっています。
皆様のスーツには入っていますでしょうか??
そのAMFステッチですがどうしてオプションとなっている所が多いのかと申しますと、普通のミシンや通常の作業スピードではできない為、別工程となってしまうからなのです。
AMFミシンと言う名のミシンを使い少し太めの糸をゆっくりとしたミシンスピードで縫い上げて行くのです。
それも高い技術を必要とする技で熟練の職人でなければ綺麗に縫い上げることはできないとされている為、別料金が発生してしまうのです。
AMFステッチを入れるミシンは通常のミシンとは違い下糸がありません。
上糸だけで下まで通し、下から上へ通しと、まるで人の手で縫ったかのような動きで制御されているミシンなのです。*ミシンを開発したアメリカの企業にちなんだ「AMF」。生地の表面に凸凹感や手作業感を演出しやすい。
*normal editionで使用しているミシンは”AMF社製”のヴィンテージ。
このステッチ、それほど目立つデザインではありませんが入っていると入っていないとでは見た目や雰囲気がまるで違います。
その為、喪服やフォーマルに代表される礼服の類では「AMFステッチは入れないほうが良い」とも言われております。それも華美なデザインとしてのイメージを与えかねないとの事からなのです。
またステッチを”どこにどう入れるか”によっても雰囲気が変わります。
通常「フロントステッチ」と呼ばれるフロント側のステッチ(ジャケットの襟とフロントカット部、胸ポケット、腰ポケット)に入るものが一般的ですが、オプションにより「フルステッチ」もご用意しております。
「フルステッチ」は上記に加え、肩、袖、背中心、胸ダーツからパンツのサイドシームラインにまでステッチを加えることが可能で、ステッチは少なくするほどフォーマルに。多くするほどカジュアルな印象になることもありステッチを入れる場所が端に近いほど、2本(ダブルステッチ)よりも1本の方がフォーマル度は高くなります。
ステッチがあるかないかで仕立てを判断できる材料ではありませんが、あるとないとでは見た目に差が出るところでもあり、個人的な印象ですがスーツ自体の価格も1万円以上は高く見えよりしっかりとした印象を与えることができるのではと。
AMFステッチは、既製品で見てもある程度のスーツだとほとんど入っているかと思います。
そんな当たり前とも言えるディテールがオーダースーツでないとなると複雑な気分ですよね。
そんなこだわりのオプション。ご存知かと思いますがBianccoでは無料(フロントステッチ)です(笑)
と言いますかサービスとさせていただいております。
*喪服等お仕立ての場合、お客様のご都合により入れないことも可能です。
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