syonheru

世界三大テキスタイル産地 -尾州- を訪ねる

2023.06.02

-尾州- を訪ねる。

 

「国産の生地」と言えば皆様はどのようなイメージをお持ちでしょうか。

スーツの生地と言えばインポートブランドばかりに目が行きがちで国産生地は”安い”ものとしてのネガティブイメージも多少ならずあるかと思います。
中には安いだけの生地もあるかもしれませんがご存じの通りBianccoで取り扱っているオリジナル生地は愛知県一宮(尾州)の生地を使用しております。

bisyu尾州産地の象徴でもあるその個性的な建築は、毛織物産業を支えてきた「のこぎり屋根」工場閉鎖などの影響を受け年々姿を消している状況ですが、のこぎり屋根の姿を残そうとする動きもあるそうです。

 

一宮市内には機屋(はたや)と呼ばれる工場が大小多数存在し、世界三大織物産地と呼ばれイギリスのハダースフィールド、イタリアのビエラと並ぶ産地なのです。
Bianccoで契約している機屋は自社で生地の設計、製織、販売を行っており、手織りの原理を動力化した低速シャトル織機(通称ションヘル)を導入し、現在も尚、使い続け製作しています。

hataya

syonheru写真のションヘル織機の特徴でもある「シャトル」が右や左に渡り両方向から糸をかけてゆき、ガシャンガシャンと心地よいリズムで丁寧に織を積み重ねてゆきます。


原料を活かして丁寧に織られた生地は膨らみがあり、弾性復元力の高い最上級のウール織物「ブランド」となるのです。
契約機屋以外にも"ションヘル"を持っている工場は数社あり、希少で生産性のあまり良くない織機の為、一宮全体競合他社で繊維産業を盛り上げるべく協力し合い生産性を高めています。
各機屋ごと特徴や取り組みは違うものの”尾州の生地”を守り、街の活性化となるべく盛り上げて行こうと言うお話でした。

どこの機屋だどうだというのも楽しいですが、皆”尾州の生地”だという事なのです。

ここから少し”紳士服地”として作られるまでの工程をご紹介させていただきます。

 

 

織機のセッティングと言うよりも、手で織られているかのような繊細な仕事。絡まないように数千本からなる糸を毎朝通し掛けているとのことでした。

 

その後、色柄や織り方の仕様により細かくセッティングをしてゆきます。

bisyu
仕様書を見ながら駒?白い丸いものを配置し、糸の通り道を作るそうです。この仕様書からもわかるようにこの生地は1/2ツイル(綾織)になることがわかります。

syonneru

このように駒の配置から織柄を決め、色柄を付けるために縦糸と横糸の通す糸の色や配置を変えてゆきます。
上の画像にもあった「シャトル」が左右に渡っているのが見えていますのでしょうか。(下動画)
このスピードで織りあがているのですから1反織りあげるのには相当な時間がかかることがわかるかと思います。

 

 

ピントが合ってませんね・・・申し訳ございません・・・

織りあがった後は、フィニッシュ工程に移ります。
表面をクリアカットするのですが、仕上げ専門工場に移し紳士服地となって行くのです。
この業界だけではありませんが、製品は川上から川下までいろいろな方々の力を借り、技術を結晶してできています。これだけの工程で1着に関わる職人の数、日数を考えると適当にい扱えるわけはなく思い入れのある1着となるはずです。

味気のない大量生産のスーツが悪いとは言いませんが、各工程で少しづつ関わる人の”心”が詰まっているのが”オーダースーツ”なのではないかなと思うのです。

そんな世界有数の毛織物産地である尾州地域を代表する8社の機屋から、さまざまな生地を集結させた「尾州ヴィンテージ&デッドストック ファブリック」を仕入れてきました。

bisyu_vintage時間に余裕がなくゆっくり見ることができませんでしたが、1日では選ぶことができないくらい気になる生地がそろっていました。

今回は春夏ジャケット地と秋冬ジャケット地、コート地を少し仕入れることができましたのでチョイチョイご紹介させていただきますのでお楽しみに!

blog一覧へ戻る

POPULAR POST

検索

CATEGORY

ご予約お問合わせ