ポロコートとアルスターコート
2021.12.26
2021.12.26
ポロコートと言えば打ち合いがダブルでアルスターカラーが特徴的です。
とはよくいうものの、アルスターカラーなのにアルスターコートじゃないの?と思われる方も少なくないかと。
どちらも間違いではないものの明確な違いというか、違いがあるのです。
ポロコートとアルスターコートの違いは簡単にご説明すると「デザイン」です。
混同されることも多いポロコートは、アルスターコートが由来のコートで派生組。ポロコートにデザインを加えたものと思っていただければ間違いはありません。数々のウンチクを除けば・・・
細かなデザインの違いはあるもののどうして名称が違うのでしょうか。
少し話がそれますが、シャツの襟型でもあるボタンダウンシャツにも呼び方にも2通りあるのをご存じでしょうか。実は"ポロカラーシャツ"とも呼ばれています。ポロカラーシャツと呼ばれるのはボタンダウンを初めに作ったBrooks Brothers(ブルックスブラザーズ)社独自の呼び名なのですが”Polo競技”に由来しているのはご存じかと思います。
その流れではないのですが、ポロコートも"polo競技"由来ともいわれており、19世紀後半ポロ競技の選手や試合を観戦する貴族が着用していたアルスターコートのようなラップコート(ウェイトコート)がアメリカへと渡りBrooks Brithers(ブルックスブラザーズ)社がデザインを一般向けに改良した上、ポロコートと名付け世に送り出していた外套をルーツとしています。
対してアルスターコートは元来貴族階級の旅行用コートとして使われ、馬車での移動手段がメインだった当時、極寒の中でも耐えうるコートとして着丈も長くボリュームのある素材とゆったりとしたシルエットと上衿がおおきくとられた襟型が特徴となっているコートなのです。
前置きが長くなりましたが、デザインの違いのご紹介です。
打ち合いのダブルは除く、共通デザインからポロコート独自のデザインへと順にお話しさせていただきます。
① 特徴的な衿はアルスターカラーと呼ばれる上下の襟の幅がほぼ同じか、上襟の方が少し大きめの幅が広い襟の形を指します。Pコートに似たような襟型と言えばわかりやすいかと思います。(ポロコート・アルスターコート共通)
② スポーティーなコートがルーツのポロコートは、目を引くポストポケット(フレームドパッチポケット)かどうかが、アルスターとの違いの一つです。フラップのついたパッチポケットのまわりをフレーム状に囲ったようなデザインで、少し大きめになっているのも特徴です。(ポロコート)
③ ウエストの絞りを強調するような背バンドもポロコートならでは。腰部分のシェイプから背・裾にかけてのドレープが美しく、上品なシルエットを作ります。(ポロコート)
④ ベントは、インバーテッドプリーツと呼ばれるベントに切れ目がなく折り返してボタン留めされているのも特徴です。スカートによくみられるプリーツスカートをイメージされるとわかりやすいかもしれません。(ポロコート)
⑤ 袖口はターンナップ。袖口を折り返したデザインでクラシカルな印象。他のコートでは中々みられないディテールでもあるため、簡単に差別化を図れるのもポイントです。(ポロコート)
以上のように、襟を立て寒風から頬を守るような大きな衿、ハンドウォーム用に腰ポケットを大きくしたり隙間風を防止するインバーテッドプリーツ、打ち合いダブルや袖口のターンナップで厚みを持たせたりと防寒的要素も多くウールコートの中ではカジュアルな部類に入りますが着丈の調整でその上品な見た目と、クラシカルなデザインがカジュアル用途はもとよりビジネスにも難なく合わせることが可能です。
すべてコートのオプションとして用意しているものなのですが、Bianccoではポロコートオプションとして”すべてのオプション”セットにし、一つずつ付け足してゆくよりも割安なオーダーオプション価格としております。
ウールコートでの実用性を重視したい方やクラシカルなコートを1着と考えているのであれば是非とも、揃えてほしいコートです。
検索