シングルか、それともダブルか

裾の仕上げ論争に終止符を。

 

様々な説とともに、問題になる「シングルか、ダブルか問題」
そもそも"ダブルはどうして折り返しているのか"を知ると悩む必要がなくなるのかもしれません。

起源には諸説あり、雨天時に泥道を歩く際汚れないように裾を折り返した姿がシルエットがスマートだったということから広まったと言われています。起源から考えてみると屋外での活動的な場面（カジュアル）向けの仕様と考えるのが自然ですね。
また、折り返した裾は通常のシングル仕上げに比べ折り返した重みが出るため安定し、生地が下がりパンツのシルエットを綺麗に見せる効果も期待できます。

尚、ダブル巾（折り返し幅）すそ幅とのバランスや流行によりますが一般的にすそ幅の細いものは太目（4.5～5.5cm位）に、広いものは細目(3.5～4.5cm位)にするとバランスが良いのですが身長や体格も考慮するとダブルの折り返し効果が最大限発揮されるでしょう。

対して、シングル仕上げの場合シンプルで軽快な印象がある一方、ダブル仕上げが出てくる以前のフォーマルスーツにおける仕上げはすべてシングル仕上げとされており、折り返しのアクセントがなく最もシンプルな（装飾的ではない）仕上げの為、正式な場面で着用するスーツにおいてベストな裾仕上げと言えます。

ビジネスやカジュアルにおける裾仕上げはだいたいこの2つの方法となりますが、礼装用のモーニングやタキシードに多く用いられる”モーニング仕上げ”という裾の仕上げ方法があり、裾の前側がもたつかないよう後ろ側はそのままに前側のみ短くしあげる方法です。
そのスマートで理にかなった仕上げ方法からビジネスにおいてもこだわりの”ダブルでのモーニング仕上げ”も見受けられます。
また、靴との一体感も出やすいので”革靴好き”にも人気なのかもしれません。

このように一つ一つ意味や起源を知ることでスーツスタイルに自信がつき、その自信が何かを押し上げる事にも繋がるかもしれません。
スーツ細かなところも気になっていただく事ができればうれしいです。