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果たしてリネンシャツは夏だけの物なのか

2024.09.12

「シャリ感があり夏に最適な素材」

 

「見た目も涼しくさわやか」、「汗をかいてもべとつかずサラッと」。
よく言われるリネン素材のセールストーク。
どれも間違いではなく正しいのですが、私自身いつもなんとなく腑に落ちないのです・・・。

この機会に、改めてリネンについて調べてみましたので「リネンは夏だけの物なのか」検証してゆきましょう。

まず初めに、リネンは亜麻科の植物から作られる天然繊維で主な産地はフランスやベルギーと言った比較的寒い地域での栽培が盛んだという事。
リネンにおいてフレンチリネン・ベルギーリネン・アイリッシュリネンなどよく聞くワードかと思います。

また、リネンと混在しやすい素材として「麻」が上げられますが、麻とはリネンを含めラミー・ヘンプなど植物から作られる天然繊維の総称となっていますので勘違いしないようにしてください。

そして、調べた結果リネンの特徴として挙げられていたのが・・・

 

① 丈夫で長持ち
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リネンは非常にしっかりとした素材。
ウールやシルクなどの自然由来の天然素材に比べて丈夫です。
海外では100年以上にわたって使用されたリネン製品があるほどですから、その丈夫さが分かります。
また、水に濡れることでさらに強度が増すという特徴も備えていますが、洗濯をすると収縮してしまうものも多い。
水濡れに強くしっかりした丈夫な繊維を持つリネン生地は、カーテンやシーツのように日常生活で長く使用する製品の素材として非常に適しています。

 

確かにしっかりとしています。
固いというかゴワゴワというか厚いというか。

私は古着も好きなので良く漁ったりするのですが、確かに年代物と言われるリネン製品シャツやジャケットを見ても型崩れはあるものの生地としては目が詰まっていながらもソフトでコットンやウールに比べ傷みが少ないような感じがします。
使っていくにつれ、変な硬さも抜け生地として育ってゆくような感じかもしれませんね。

 

② 吸水性に優れている
linen-shirts取扱いのあるリネンの中でも人気の高いアイリッシュのHerdmans Linen(ハードマンズリネン)。

リネンをはじめとした麻は、コットンの4倍ともいわれる非常に高い吸水率を誇る素材です。
吸水性だけでなく通気性や発散性にも優れているため、湿気も濡れてもすぐに乾くという特徴を持っています。
服地など生地出荷時に糊付けされている場合が多いので数回洗っていただくと柔らかくなり糊がとれてよく水分を吸ってくれます。

 

体感的には”育つ”まで結構な期間を要します。
また、クリーニングに出されている方は要注意。
糊付け仕上げや、ドライクリーニングであれば、水を通しませんので素材を活かせず・・・という事もあるかもしれません。
なかなかシワは取れませんが、シワをも楽しみ生地を育てるのがリネンの正しい楽しみ方なのかもしれませんね。

 

③ 通気性・保温性に優れている
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リネンの繊維は中が空洞で、空洞部には空気が含まれています。
その空気が余分な熱を逃がすことで夏は涼しく、冬は中の空気が熱を保持するために温かく感じられます。
このように、リネンは天然のサーモスタットのような性質を持ち、通気性、保温性に優れています。

 

結論はここに隠れています。
リネンは涼しげな見た目で夏の素材だと思われている方も多いかもしれませんが、実は春夏秋冬一年を通して使用することができる素材なのです。
夏は夏、冬は冬で快適な着心地が得られるような繊維の特性があるのです。
追加ですが、リネンには細菌の発育や増殖を阻止する性質が備わっており、カビや雑菌の繁殖を抑えてくれる効果と、汚れを繊維の中まで通さない成分が入っていることで気になる匂いも発生しにくい素材なのです。

総評すると・・・

「リネンシャツは夏だけのものではない!」

と断言します。
「シャリ感があり夏に最適な素材」、「見た目は涼しくさわやか」、「汗をかいてもべとつかずサラッと」。も間違いではありませんが冬用にセールストークを考えてみると・・・
「繊維の中が空洞なため、保温性が強い」、「丈夫で長持ち」、「汗をかいても冷えにくい」となりそうです。

リネンは生き物?かもしれません。
季節や温度に適応し、質感も変わり育っていく。
男心くすぐるアイテムですね。

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