ネクタイとポケットチーフは揃えるべきなのか。

2025.12.01

“揃えない”のが上級者。素材と柄で魅せるワンランク上のVゾーン演出術

 

「ネクタイとポケットチーフを揃えるべきか。」というのは多くの方が悩むポイントですよね。

結論から言うと、ネクタイとポケットチーフは、必ずしも完全に同じ色や柄(共布)で揃える必要はありません。
むしろファッションの観点からは、全く同じだと少し単調で工夫がないように見えてしまうこともあります。
より洗練された印象を与えるための、一般的なコーディネートのポイントをまとめてみました。

 

①色を合わせる。
最も簡単でおすすめなのは、ネクタイの色の中から一色を拾ってその色のポケットチーフを選ぶ方法です。
例えば紺ベースに黄色のストライプが入ったネクタイであれば、紺か黄色のポケットチーフを選ぶと、統一感が出てまとまります。
画像は「黄色」を拾い、ベースにジャケットのツイードとウールチーフで素材を統一させている例。

tie

②柄を合わせる。ネクタイとポケットチーフの柄を、ドット柄やストライプ柄などで合わせる方法もあります。
ただし、柄の大きさを変える(大きいドットと小さいドットなど)と、よりお洒落に見えます。

↓こちらは「茶」のストライプネクタイに、チーフはネクタイの「茶」を拾い、ストライプの柄で揃えている例です。

チーフ Albeni1905 pocket chief (stripe) 価格 : ¥9,350 (税込)

 

③素材感を合わせる。
カジュアルなシーンでは①でもありました、ジャケットやネクタイとポケットチーフの素材感を合わせるのも良いでしょう。
ネクタイをベースに例えるならウールのネクタイに、起毛感のあるウールやカシミヤのポケットチーフを合わせると季節感が出ます。

wooltie2ネクタイ Sfodellarta Tie (B-GLY) 価格 : ¥13,200 (税込)


④あえて外す。
白無地のポケットチーフは、どんなネクタイにも合わせやすく、フォーマルな場でも使える万能なアイテムです。
迷ったときは白を選ぶと間違いありません。
結婚式などのフォーマルな場では、白のリネン(麻)ポケットチーフが一般的です。

ネクタイ Tie (366) Herringbone GRY価格 : ¥13,200 (税込) / チーフ Pocket Chief (wht) 価格 : ¥4,400 (税込)

 

友人としての参加など少し華やかさを出したい場合は、シャツの色やネクタイの色を拾いつつチーフのみ大柄なもので合わせる等、上記3つのポイントを使っても素敵です。

ネクタイ Tie (366) Herringbone GRY価格 : ¥13,200 (税込) / チーフ Pocket Square (095) BRN × NVY
価格 : ¥8,800 (税込)


更に専門家からの視点から、ネクタイとポケットチーフのコーディネートについて更に踏み込んだテクニックと考え方をお伝えします。

基本的なルール(色を拾うなど)を踏まえた上で上級者が実践するのは「調和」と「意図的な外し」のバランスです。
ただ揃えるのではなく、Vゾーン全体で一つの物語を作るような感覚を持つことが重要になります。
上級者が実践する3つの上級テクニックとして、柄×柄のコーディネート「主役」と「脇役」を明確にするという事です。
上級者は柄同士を組み合わせることを恐れません。
ただし、無秩序に合わせるのではなくVゾーンに明確な役割分担を作ります。
原則、ネクタイかチーフのどちらかを「主役」とし、もう一方は「脇役」に徹させます。
具体例としてネクタイが主役の場合、大胆なペイズリー柄のネクタイを選んだら、チーフは細かいドット柄や、ネクタイの柄の一部とリンクする無地のものにしたり、ジャケットの色柄素材と調和させることにより、ネクタイの存在感を引き立て調和させるのです。

またチーフが主役の場合として、④の華やかさを出したコーディネートのように、落ち着いた無地や細かい柄のネクタイに色彩豊かな大柄のチーフを合わせることで、チーフがアクセントとして機能します。
素材感(テクスチャー)で深みを出す 色や柄だけでなく「素材感」を意識すると、コーディネートは格段に立体的で深みのあるものになります。
季節感やフォーマル度を素材で表現することもテクニックの一つです。
③のような秋冬のスタイルとしてツイードやフランネルのスーツに、ウールのネクタイ、そしてカシミヤや起毛感のあるシルクのチーフを合わせると、温かみと季節感が生まれ洗練された印象になり、春夏やカジュアルなスタイルにはコットンやリネンのジャケットに、同じくリネンやコットンのネクタイやチーフを合わせると、軽快でこなれた雰囲気が出ます。

上級者が「共布」を避ける理由として、上級者の視点ではネクタイとポケットチーフが全く同じ生地(共布)のセットは、以下のような理由で避ける傾向にあります。

「工夫がなく、平面的に見える。」 Vゾーンに奥行きやリズムが生まれず、単調な印象を与えてしまいます。
「初心者向けセット」のイメージもぬぐえなく、 ファッションに詳しい人からは「ただ単に挿している」「何も考えていない」と見なされる可能性があります。
もちろん、これはあくまでファッション性を追求した場合の話です。
しかし、「プロっぽく」を意識するのであれば、共布は避けるのが賢明と言えるでしょう。

以上、少し理論に寄り過ぎた話になってしまいましたが色々なコーディネートを試し「外に出て」見てください。
家の中ではよくても、外に出てみると違ったな・・・と思う事もよくある話です。
少しのアドバイスと、数多くの実践で自分なりの”ルール”が出来上がり自然と身についてくるようになりますので。

ポケットチーフは紳士のルールです。
いつも胸元にはポケットチーフを!

blog一覧へ戻る

POPULAR POST

検索

CATEGORY

ご予約お問合わせ